第1回「銀と毒味の歴史」

銀の黒ずみのご相談を受けることが多いので、4回に分けて、銀についてお話していきたいと思います。

第1回「銀と毒味の歴史」
銀は毒を見分ける? ― 歴史にみる「銀と毒味」

銀と毒見の歴史 ― 黒ずみが示した危険のサイン

銀といえば「変色しやすい金属」という印象があるかもしれません。
しかし古代から19世紀のはじめにかけては、この性質が「毒を見分ける力」と考えられていました。

ヨーロッパの宮廷では銀製のスプーンや皿が用いられ、日本でも戦国時代から江戸時代にかけて将軍や大名が銀の箸を使用していたと伝えられています。毒殺を防ぐため、食事の前に銀の食器で毒を確認したり、場合によっては「毒味役」が置かれていた記録も残っています。

当時、よく用いられた毒のひとつが 亜ヒ酸(As₂O₃) です。これは 硫砒鉄(FeAsS) を加熱し、発生した亜ヒ酸ガスを冷却して得られる白色の結晶ですが、当時の精錬は不完全で、しばしば 硫黄(S) が混ざっていたようです。

銀は硫黄と反応して黒色の硫化銀(Ag₂S)を生じます。そのため、銀の箸や食器が黒ずむと「毒が盛られているのではないか」と疑うことができたのです。
厳密には、銀が毒そのものを検出していたわけではなく、不純物の硫黄に反応していた、というのが実際のところのようです。

銀の黒ずみは今日では「変色」として嫌われがちですが、歴史を振り返ると人々の暮らしや安全に深く関わっていたことがわかります。

次回は、銀が黒く変色する仕組みを化学的に解説します。

Vamos!!
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※店休日:月・火曜

出張販売
■2025年10月1日(水)から10月7日(火)まで
大阪・千里阪急1階
※ザクロは10月1日(水)3日(金)5日(日)7日(火)に千里阪急にいる予定です。

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