第4回「銀と塩素・酸素・汗との関係」

【銀の黒ずみ・白化の秘密】
第4回「銀と塩素・酸素・汗との関係(塩化銀による白化現象)」


銀と塩素・酸素 ― 白くなるのは汗のせい?

これまで「銀が黒くなる理由」や「黒ずみを落とす方法」を紹介してきました。
最終回は、銀と塩素、酸素、そして日常的に避けられない「汗」との関係についてです。

◎銀と塩素 ― 白色の塩化銀
銀は塩素(Cl₂)と反応して、白色の塩化銀(AgCl)を作ります。

反応式 《 2Ag + Cl₂ → 2AgCl 》

この塩化銀は白色で硬い膜となり、光が当たると徐々に灰色や黒色へと変化します。
漂白剤やプールの塩素消毒水に銀が触れると、白っぽく曇ったり黒く変色してしまうのはこのためです。

硫化銀と違って、塩化銀は還元では落とせないため、研磨で削り取るしかありません。

◎銀と汗 ― 身近な「塩化反応」

銀アクセサリーを身につけていて「白っぽくなった」経験はありませんか?
これは、汗に含まれる塩分(NaCl)が原因です。

汗の水分が蒸発すると皮膚に残った 塩化物イオン(Cl⁻) が銀と反応し、表面にAgClの膜を作ります。

反応式 《 Ag⁺ + Cl⁻ → AgCl 》

この白い膜は光沢を失わせ、銀を曇ったように見せます。
しかも硫化銀の黒ずみと違って、重曹やアルミホイルを使った還元法では除去できず、研磨で取り除く必要があります。

◎銀と酸素 ― 意外な安定性

一方で、銀は酸素(O₂)や水(H₂O)に対しては非常に安定です。
鉄のように空気中で酸化膜を作ることはほとんどありません。

銀が溶けた状態(溶融状態)では大量の酸素を吸収しますが、冷えて固体に戻ると酸素をほとんど放出してしまいます。
そのため、常温常圧で「銀が酸化して錆びる」ということはほぼ起こりません。

人工的に酸化銀(Ag₂O)を作る場合は、硝酸銀(AgNO₃)の水溶液に水酸化ナトリウム(NaOH)を加えます。
このとき沈殿する酸化銀は 黒褐色 で、実験でよく扱われます。

◎まとめ
・黒くなる → 硫化銀(Ag₂S):温泉・卵・ゴム製品などが原因
・白くなる → 塩化銀(AgCl):汗・塩素系薬品・プールなどが原因

銀は「硫黄に弱い」「塩素にも弱い」けれど、「酸素には強い」金属。
黒ずみも白化も、どちらも銀が「他の元素と結びつく」ことで起きる自然な現象です。

汗や薬品に触れやすいアクセサリーだからこそ、変色の仕組みを知っておくと、お手入れや使い方に役立ちます。
銀はただ美しいだけでなく、化学と深く結びついた不思議な素材ですね。

4回にわたる「銀と黒ずみ・白化の秘密」シリーズ、最後まで読んでいただきありがとうございました。
次に銀のアクセサリーを手にしたときは、ぜひその輝きの裏にある化学の物語を思い出してみてください。

Vamos!!
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